OECD - パリ、2022年3月21日
OECDは、経済的、環境的、社会的に持続可能で、危機対応力が高く、開放的で透明性のあるインフラプロジェクトのためのブルードット・ネットワーク認証枠組みの原案を発表しました。
認証枠組みの原案は、様々な地域と産業部門の多くのインフラプロジェクトでパイロットとして運用されることになっています。
オーストラリア、日本、米国の政府によって設立されたブルードット・ネットワークは、良質なインフラ投資を支援・誘致し、2兆5千億~3兆5千億ドルと推定されるインフラ投資の不足分を埋め、世界的なCO2排出量ネットゼロへの移行を加速し、将来の成長の強度と質を最適化することを目的としています。
ホセ・W・フェルナンデス米国務次官(経済成長・エネルギー・環境担当)は、次のように述べています。「世界はより多くのインフラと同時に、より良いインフラを必要としている。市民にふさわしい経済的利益をもたらすインフラは、透明性があり、包括的で、持続可能なものでなければならない」
世界には、クリーンなエネルギーや水、医療サービス、通信インフラといった基本的なインフラを利用できない人々がまだ数多くいます。G20 インフラ投資品質原則(G20 Principles for Quality Infrastructure Investment)や、国際金融公社(IFC)の実績基準(International Finance Corporation (IFC) Performance Standards)、赤道原則(Equator Principles)、OECD 多国籍企業ガイドライン(OECD Guidelines for Multinational Enterprises)などの関連基準に沿って開発された良質なインフラプロジェクトは、投資家や株主のリスクを軽減しつつ、社会にとって有益な結果をもたらすことができます。ブルードット・ネットワークは、投資家、共同体、その他の重要な関係者に対し、インフラプロジェクトの品質について信頼できるというシグナルを提供することで、各国の基本的ニーズへの対応を支援することを目的としています。
マティアス・コーマンOECD 事務総長は、次のように述べています。「ブルードット・ネットワークは、適切に設計されたプロジェクトに良質なインフラ投資を行い、現地でスキルを開発し雇用を創出し、持続可能な未来のために危機対応力を高めることによって、低・中所得国の経済をさらに強化することを目指している。その提案された原案では、市場経済原則、透明性と説明責任、法の支配、男女平等、人権保護、環境持続性の促進といった我々が共有する価値観を、将来のインフラ開発の中心に据えている」
OECD が提案するブルードット・ネットワークのプロトタイプは、本日発表された報告書「ブルードット・ネットワーク:良質なインフラのための認証制度(The Blue Dot Network: A proposal for a global certification framework for quality infrastructure)」の中で初めて概要が示され、下記の項目からなるブルードット・ネットワークの構成を提示しています。
- 国際規格から派生した、認証授与の根拠を決定するための一連の必須要件。
- 個々の要件への適合性をプロジェクト全体の評価に変換する採点システム。
- プロジェクトと要件との整合性を検証するための効率的で信頼性の高い審査 プロセス。
提案されている原案は、先頭を競う競争にインセンティブを与える一方で、質の高いインフラの基本的な基準を満たす認証されたインフラプロジェクトの頑健性に対する関係者の信頼を築こうとするものです。
ブルードット・ネットワークは、信頼性と実証に基づき、かつ参加者の負担を最小限に抑えるため、アジア、太平洋、サハラ以南のアフリカ、中南米、中東など、多くの地域から集められたプロジェクトで試験的に実施される予定です。
エグゼクティブ協議会のメンバーで、欧州国際建設業連合会長のBenoît Chauvin氏は、次のように述べています。「ブルードット・ネットワークは、質の高いインフラ投資に関する共通の要件に照らしてプロジェクトを認証することで、世界的に公平な競争条件を確立できる。この認証制度が、財政的、社会的、環境的に持続可能なインフラプロジェクトの象徴として世界的に認知されれば、インフラの未来にとって真の変革者となり得る」
OECD の提案策定には、民間企業、市民団体、学界から集った 170 人以上のシニアリーダーで構成されるブルードット・ネットワーク・エグゼクティブ協議会から得られた継続的な対話の成果が反映されており、高度に技術的な指針が提供されています。エグゼクティブ協議会は、認証枠組みを洗練させ、異なる部門に適応できるよう、今後もOECDを支援します。
OECDは、米国、オーストラリア、日本の各政府の要請を受け、認証枠組みの開発に技術的な支援を行っています。
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