2021年5月31日
OECD加盟国閣僚は、パリで開催されているOECDの年次閣僚理事会にて、新型コロナウイルスのパンデミック期に安全な海外旅行を推進するため新たなイニシアチブを承認しました。
このイニシアチブには、安全な旅行のための計画(ブループリント)と知識を共有するための臨時の業界横断的な国際フォーラムが含まれています。このフォーラムでは、各国政府と利害関係者が人の移動を促進するための計画とアプローチについて、リアルタイムに情報を共有することができます。この安全な旅行のためのブループリントでは、本格的に人の移動が再開したときに旅行の確実性と安全、危機管理を高めることを求めています。それは、既存のイニシアチブに立脚し、様々な旅行形態の相互運用性を高めることを目的としており、各国が自発的に利用するものです。
国際的な旅客航空は、2020年には75%落ち込み、国際観光は約80%減少しました。パンデミック以前には国際観光は、OECD諸国平均でGDPの4.4%、雇用の6.9%、サービス輸出の21.5%を占めていましたが、ギリシャ、アイスランド、メキシコ、ポルトガル、スペインなどではその割合はもっと高くなっていました。国際的な人の移動と観光が途絶したことで、相互につながっているグローバル経済全体は劇的な連鎖的影響を受けています。
パリで開催されている閣僚理事会で、アンヘル・グリア事務総長は次のように述べました。「OECDは、グローバルな人の移動を再開するための各国の国境を超える取り組みを調整できる唯一の場である。このイニシアチブは、不確定要素と複雑さを軽減し、各国が安全な国際旅行と観光を再開できるように支援している」
旅行政策について国際的枠組みがなければ、相互に一貫性がない各国と地域のルールの寄せ集めで混乱が続き、旅行者にも旅行会社、旅客会社にもコストがかかり、その不確実性と複雑さのせいで人の移動が妨げられる可能性があります。また、偽の承認を悪用する事件が増え、そうすると公的機関が公衆衛生上のリスクを軽減できなくなる恐れがあります。
スペイン主導で作成されたOECDのブループリントは、特に、欧州連合が提案する‘Digital Green Certificate’のような既存の国際イニシアチブを、それらの間に互換性があり各国間で一貫性をもって採用されているという原則のアプローチを採ることによって支持、補完しています。
このブループリントは柔軟かつ自発的なガイドラインで、法的拘束力はありません。リスクを分類するための信号機システム、ワクチン接種状況を考慮して旅行の承認を行うことを決めている国々への旅行で、どのようにワクチン接種状況の承認を与えるかという指針、様々な状況の旅行者への検査規定、プライバシー保護と安全性を確保しシステム間で相互に運用ができる電子旅行承認発行のための原則などが盛り込まれています。
OECDのブループリントを一方的に実施する国もあれば、二国間または多国間合意に基づいて実施するところもあります。また、他の機関、特に国際民間航空機関(ICAO)のPublic Health Corridorなどが提供するメカニズムによって実施するところもあります。
詳細は、OECD initiative for safe international mobility during the COVID-19 pandemicとQ & Aをご覧ください。
報道関係者のお問い合わせは、下記までお寄せください。
OECD Media Office (tel. + 33 1 45 24 97 00).
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