2016年11月21日
世界中の都市の市長と地域のリーダーは、本日、不平等に対処し、雇用創出を促進し、経済発展を活かす行動計画を発表します。
パリで開催されている会合、OECD Champion Mayors for Inclusive Growth Initiativeにおいて、参加者は、地域のリーダーが包摂的な成長を実現する上で重要な役割を果たさなければならないと強調しました。OECDがフォード財団の支援を受けて行っている研究、Making Cities Work for Allによると、研究対象となった10か国中9か国において、家計所得の不平等の水準が、都市部では各国平均を上回っていました。
アンヘル・グリアOECD事務総長は、「格差が大きいことが、まさに社会組織を歪ませている。このことに何よりも緊急に対処しなければならない。そして、都市とそのリーダーはその闘いの中心的役割を担わなければならない」と述べました。この「都市における包摂的成長のためのパリ行動計画(Paris Action Plan for Inclusive Growth in Cities)」発表会見には、グリア事務総長の他、パリのアンヌ・イダルゴ市長、フォード財団のダーレン・ウォーカー会長(フォード財団はOECDの包摂的成長に関する研究の主要パートナー)、ダカールのカリファ・サル市長、そして世界中から多くの都市の市長が出席しました。
このパリ行動計画の発表は、先の金融危機の際に高まる不平等に対処するために設置された、OECDのAll on Board for Inclusive Growthイニシアチブのサポートを受けています。市長を包摂的成長の中心に据えようとするこのイニシアチブの活動は、OECD米国政府代表部のダニエル・ヨハネス大使が率いる大使団の支援を受けてきました。
このイニシアチブに参加した50名の市長は、行動計画で定義された4本の柱-教育、労働市場、住居と都市環境、インフラと公共サービス-に一丸となって取り組み、より包括的、包摂的な成長という課題に向けて進むことを公約しました。
この会合で発表されたOECDの新報告書によると、グローバル化が進む労働市場において、高技能労働者の獲得競争と質の良い雇用を創出する企業の競争は、国内でも世界規模でも激化しています。
「雇用創出と地域経済開発 2016 (Job Creation and Local Economic Development 2016)」によると、先駆的地域と遅れを取っている地域との格差が拡大しており、各国が包摂的成長を遂げる主な妨げとなっています。
ほとんどのOECD諸国では過去15年に学歴が向上しましたが、全ての地方で平等に向上したわけではありません。教育水準がすでに高かった地域は、さらに向上しています。同様の傾向が高技能の雇用の分布にも見られるのは、カナダ、フィンランド、フランス、イタリア、日本、ラトビア、ノルウェー、スロバキア、スロベニア、英国といった国々です。
行動計画に付随して、本報告書は、各国と地域のリーダー双方が雇用創出、経済発展、包摂性を推進するためにできる役割を明らかにしています。
いくつかの都市は、その国内の他の地域よりは良い実績を上げていても、国際比較すると他国の都市に遅れを取っている場合があります。ストックホルム、パリ、ロンドン、ブリュッセルといった北欧、西欧の都市は、技能の供給と雇用主の需要の双方の点で、堅調な実績を上げています。しかし、ポルト、ローマ、ナポリ、リスボンといった南欧の都市とプラハ、ワルシャワなどの実績はそれと比較すると良いとは言えません。
本報告書には、地方と都市への実践的な政策的助言が盛り込まれています。地域経済が質が悪く生産性の低い雇用の悪循環に落ち込まないようにするための、技能、雇用、起業に関する政策の立案と実施を検討しています。また、雇用創出、雇用率、技能の需給に関する新たな地域別データを、OECD加盟36か国と主要パートナー諸国について収録し、各国内の地域間にある労働市場の実績の微妙な差異を明らかにする全体像を示しています。
Job Creation and Local Economic Development 2016は、こちらからダウンロードできます。
都市の包摂的成長に関するOECDの活動について、詳細はこちらのサイトでご覧いただけます。
報道関係者のお問い合わせは、OECDパリ本部メディア課(news.contact@oecd.org tel. + 33 1 4524 9700)までお寄せください。
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