OECD - パリ、2019年1月29日
国際社会は、経済のデジタル化で生じた課税問題の対処に向けて大きく前進し、2020年の新たな合意に基づく長期的解決の実現に向けて、多角的協力関係を継続することで合意しました。
税源浸食と利益移転(BEPS)実施のためのOECD/G20包括的枠組みの参加諸国は、急速にデジタル化する経済で多国籍企業に課税する最良の方法についての議論において、国際的に共通の解決策を見いだす取り組みを強化することになります。
1月23~24日には、包括的枠組み回答が開催され、枠組み参加諸国95カ国・地域と12のオブザーバー機関から264名の代表者が参集しました。新たに始まる対話では、この会合の後に発表されるPolicy Noteで明らかにされた2本の中心的な柱に焦点を当てています。
その一本目の柱は、移転価格のルールや独立起業原則など、多国籍企業の所得への課税権を各国間で分割するという既存のルールを、デジタル化が世界経済にもたらしている変化を考慮してどのように変えるかということである。そのためには、いわゆるnexusルール-企業がある国と持つつながりをどのように決めるか-と、そこで行われた事業にどの程度の利益が割り当てられるべきかを決めるルールを再検討する必要があります。
包括的枠組みでは、マーケティング上の無形資産、利用者の寄与、永財的に重要な所在地という概念に基づく提案を行い、デジタル化という税制問題に取り組むための国際課税制度の近代化にそれらをどのように活用するかを考察しています。二本目の柱は、残りのBEPS問題を解決することを目指しており、所得非課税または税率が非常に低い国々に改善策を与えるための連結したルールを2種類研究しています。
国際課税制度に対する新たな提案の重要性を前提として、包摂的枠組みはこれらの2本の柱をより詳細に論じた諮問文書を発表し、また2019年3月13~14日にはパリでデジタル経済に関するタスクフォース会合の一環として公聴会が開催されます。利害関係者がどのように意見を述べ、最も有効な方法で参加できるかといったこの諮問のプロセスの詳細と諮問文書は、今後順次公表されます。
パスカル・サンタマンOECD租税政策・税務行政センター局長は次のように述べています。「国際社会は、デジタル化によって生じている課税問題の解決に向けて大きく前進している。諸国は、21世紀の経済のために基本的な課税原則を更新する解決策を追求することで合意した。現代は、企業が物理的にある国に所在しなくても、その国の経済に深く関与でき、新たな、そしてしばしば無形の価値の重要性が高まっている時代である。
さらに、デジタル経済の様々な特徴がリスクを深刻化させ、脱税または極めて低い税率しか課されない経済主体に利益を移転するという構造を可能にしている。我々が今取り組んでいるのはこういう問題で、可能な解決策を模索している。」
包括的枠組みの参加諸国は、2020年に合意に基づく長期的解決策を見いだし、2019年中にG20にその改訂を公表するべく、各国の取り組みを見直しました。包括的枠組みでは、デジタル化の議論だけでなく、BEPS行動5(有害な租税慣行)の報告書を作成しており、こちらも本日発表されました。
1月29日(火)15時(パリ時間)から、1時間のlive webcastを行い、OECD租税センターの専門家がOECDの国際租税関連の活動の最新状況をご紹介し、質疑に応じました。webcastの様子は、下記のウェブサイトをご覧下さい。
https://oe.cd/taxtalks
OECD/G20 BEPSプロジェクトの詳細は、下記のウェブ誌後をご覧下さい。
www.oecd.org/tax/beps/
メディアの方々のお問い合わせは下記までお願いします。
Pascal Saint-Amans, Director of the OECD Centre for Tax Policy and Administration (+33 1 45 24 91 08)
Lawrence Speer in the OECD Media Office (+33 1 4524 7970).
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