OECD-パリ、2021年7月1日
世界で130の国・地域が、国際課税ルールを改定し、多国籍企業がどこで事業を行うかに関わらず税を公平に負担することを確保するための2本の柱からなる新計画に参加しました。
世界全体のGDPの90%超を占めるこれら130 の国・地域は、国際課税改革のための新しい枠組みを設立する声明に参加しました。BEPS包摂的枠組みの加盟139か国・地域のうち少数の国・地域は、今回この声明に参加しませんでした。この枠組みの実施計画を含めた残りの要素は、10月に最終的に決定されます。
前世紀の国際課税システムは、21世紀のグローバル化、デジタル化した経済ではもはや本来の目的にかなわなくなっています。この枠組みは、その主な要素を更新するものです。
この2本の柱からなるパッケージは、過去10年間OECDが調整してきた交渉の成果であり、巨大多国籍企業に事業を行い利益を得た場所で納税させるとともに、国際租税システムに必要な確実性と安定性を加えることを目的としています。
第一の柱は、IT企業を含む巨大多国籍企業に関して、各国間でより公平な利益と課税権の配分を確保するものです。それにより、多国籍企業への課税権の一部を、その親会社がある国からその企業が実際に事業を行い利益を得た市場がある国へ、その企業の物理的な所在に関わらず再配分することができます。
第二の柱は、各国がその租税基盤を守るために用いることができる世界共通の最低法人税率を導入することで、法人税をめぐる競争に歯止めをかけようとしています。
この二本の柱からなるパッケージは、各国の予算やバランスシートを改善しつつ、新型コロナウイルスからの復興の強さと質を最大化するために必要とされる公的サービス、インフラ、政策措置への投資に必要な歳入を増やさなければならない各国政府を支援します。
第一の柱の下では、毎年1000億米ドルを超える収益に対する課税権が、市場がある国に再配分されると見られています。第二の柱で提示されている最低15%という世界共通の最低法人税率は、毎年約1500億米ドルの追加の税収を生むと推定されています。また、国際課税システムが安定し、納税者と税務当局にとって租税の確実性が高まることでも便益が得られます。
OECD事務総長マティアス・コーマン氏は、次のように述べています。「何年にもわたって難航した交渉の末にこぎつけたこの歴史的なパッケージにより、巨大多国籍企業がどこでもその利益に見合う納税を行うことになる。このパッケージは、租税競争に国際的に合意された制約を設けるものであって、租税競争をなくすものではないしそうすべきでもない。またこのパッケージは、小国や開発途上国の利益の確保を含む様々な便宜を交渉のテーブルで提供している。 本年後半に予定されているとおり、BEPS包摂的枠組みの全加盟国・地域が最終合意に達することは、我々すべての利益になる」
交渉参加国は、交渉の完結に向けて意欲的なタイムラインを設定しており、この2本の柱からなるアプローチに関する残された技術的作業を2021年10月に完了し、2023年に施行されることが計画されています。
引き続き行われている国際課税改革交渉について、詳細はこちらをご覧ください。 https://oe.cd/bepsaction1.
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Pascal Saint-Amans (+33 1 4524 xxxx), Director of the OECD Centre for Tax Policy and Administration
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