OECD諸国及び開発途上国閣僚は、より包摂的かつ持続可能な経済成長を推進するために、企業に責任ある行動を取らせる取り組みを強化することを公約しました。
今週パリで開催されているOECDの年次閣僚理事会において、48カ国が「責任ある企業行動に関するOECDデューディリジェンス・ガイダンス(OECD Due Diligence Guidance for Responsible Business Conduct)」を採択し、その実施を支持し実施状況を監視することで合意しました。この新たなガイダンスを批准したのは、OECD諸国、OECDへの加盟招請が決定したコロンビアとリトアニアの他、アルゼンチン、ブラジル、コスタリカ、エジプト、ヨルダン、カザフスタン、モロッコ、ペルー、ルーマニア、チュニジア、ウクライナです。
このガイダンスは、責任ある企業行動に関する企業のデューディリジェンスについて、政府が支持する初の指針で、人権、労働、環境、汚職など、事業運営とサプライチェーンに含まれる様々なリスクに対処しています。
アンヘル・グリアOECD事務総長は、次のように述べています。「企業は、採算と企業活動が社会に及ぼす影響の双方を念頭に置いて事業を行う責任がある。このガイダンスは、政府と企業が協力して、より責任ある企業行動とサプライチェーン全体のデューディリジェンスを通じて、世界中でより包摂的かつ持続可能な成長を促進するための画期的な手段である。」
このガイダンスを政府が支持することで、責任ある企業行動のためのデューディリジェンスを実施する企業の責任という点で、企業のための確実性と事業のための公平な競争条件を創出するために、共通の国際的な理解を助けることになります。
OECDは批准国と共に実施状況の監視を行います。フランスなど、世界のサプライチェーン内での人権侵害を防ぐための企業義務に関する法律を採択している国もあれば、ドイツのようにデューディリジェンスを企業と人権に関する国家行動計画に組み込んで企業の実施状況を監視している国もあります。
企業が取るべき方策としては、労働、人権、情報開示、汚職といった問題に関する企業の方針を再考、更新し、それらを公開すること、その方針を供給者に伝達し、企業との契約の中での責任ある企業行動に関わる条件を含めること、事業運営とサプライチェーンの中で悪影響を特定、防止すること、こうした悪影響に対処していることをを公にすることなどが含まれます。
OECDは、企業、労働組合、NGOと緊密に連携してこのガイダンスを作成しました。これはOECDの多国籍企業ガイドラインと、鉱物資源、農業、衣類と靴のサプライチェーンなどを含む様々な分野におけるOECDガイダンスに基づいています。
本ガイダンスは、以下のサイトからダウンロードできます。
https://mneguidelines.oecd.org/due-diligence-guidance-for-responsible-business-conduct.htm
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Tyler Gillard of the OECD’s Investment Division (tel. + 33 1 45 24 90 93).
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