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ウクライナ難民のスキルと初期の労働市場の成果について

ロシアの対ウクライナ侵略戦争の結果、2022年11月中旬までに、ウクライナを出国した約470万人が欧州連合(EU)に難民として一時保護登録された。成人のほとんどは女性で、他の難民グループやウクライナの一般人口と比較して、平均より高い学歴を有している。 これらの難民の職歴について現在得られる情報は限られているが、それによると彼らの大多数は戦争が始まった時点で仕事を持っていた。その中には、無視できない数の医療・教育分野の就労者がいた。 ウクライナ難民の労働市場への受け入れは、他の難民グループと比較して早い。欧州のOECD加盟国のうち数カ国では、生産年齢のウクライナ難民で就労している人の割合がすでに40%を超えている(オランダ、リトアニア、エストニア、英国など)。短期雇用や非正規雇用を考慮すると、他の国々、特にポーランドとチェコでも同様の割合になるとみられる。他の国々では、その割合は低いものの上昇している。 ウクライナ人の労働市場への参入は比較的早かったが、彼らの現在の雇用状況の少なくとも一部には、彼らの実際のスキルよりも、彼らが利用できるネットワークが反映されている。早期に就職できた仕事の多くが低技能の仕事に集中しているため、技能のミスマッチが蔓延している。また、ウクライナ難民の場合、育児を理由にパートタイム雇用で働く人の方が多い。 正規の資格水準が高いと、技能の移転可能性や外国の資格の評価という問題が生じる。いくつかの国々は、支援活動の改善や情報提供などにより認定制度を強化している。各国は、特に医療分野において、認定手続きの合理化や特定の職業要件の撤廃により、規制された職業に就きやすくしている。

Published on January 06, 2023Also available in: English

In series:OECD Policy Responses on the Impacts of the War in Ukraineview more titles