2024年5月2日 東南アジア諸国連合10カ国(ASEAN)と中国、インドで構成される新興アジアは、世界で最も災害の多い地域のひとつです。災害リスクは同地域の持続可能な開発を議論する上での重要な要素であり、新たな報告では災害リスクへの対応を改善するための政策オプションが議論されています。
本日2024年OECD閣僚会議において発表された『東南アジア、中国、インド・エコノミック・アウトルック2024:災害リスクの中での開発(Economic Outlook for Southeast Asia, China and India 2024: Developing Amid Disaster Risks』では、グローバル経済が厳しい状況にあるにも関わらず、新興アジア経済が底堅い成長を見せていることが明らかにされています。今年の同地域の経済成長は、国内および地域内の堅調な需要と、特にツーリズムなど、サービス・セクターの継続的な回復に牽引されると見込まれています。ただ、同地域は依然として、外需の弱さといった課題に直面しています。
新興アジア諸国は、洪水、暴風雨、台風、地震、地滑り、火山活動など、さまざまな災害リスクに常に直面しており、またその頻度は気候変動などによって増加しています。最近起きたいくつかの災害は、調整・連携の不足がいかに悪影響を及ぼしうるかを示しています。アウトルックでは、包括的な政策アプローチによる、災害に強い開発を目指して、調整・連携を最大限効果的にするための主要政策分野について議論されています。これら分野は、ガバナンスや制度面でのキャパシティ、災害予算の配分、災害リスクファイナンス、インフラと土地活用の計画、トレーニングと教育、保健・衛生、最先端技術の導入、民間セクターとの協力などであり、アウトルックではこれらについて、主に次のような政策提言がなされています。
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編集者への注記:
新興アジアには、中国とインドに加えて、東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)が含まれます。
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