2015年10月29日
最新のOECD報告書によると、規制の欠点を是正するためのごく小さな取り組みでも経済活動や人々の生活に確実に良い影響をもたらすことができるため、各国政府は、新たな法の作成・施行に際する取り組みに一層力を入れるべきです。
OECD Regulatory Policy Outlook 2015は、OECD加盟国が、自国の法や規制をいかに策定、施行、レビューしているかを調査した初めての取り組みです。これにより、各国政府はこれまで長い道のりを経て、立法が責任あり根拠に基づくことを確実にしてきました。しかし、法律が策定、実施、評価させる方法に関して、まだ改善の余地はあります。
本レポートによると、OECD34カ国中の33カ国が全ての新規制に足しして明示的な規制政策と適用し、規制のインパクト審査やパブリックコンサルテーションを要求し、29カ国には規制改革推進担当大臣がいることがわかりました。
しかし、OECD加盟国の3分の1に関しては、規制コンプライアンスや規制執行に関する政策が皆無で、3分の2に関しては、法が施行されてから審査するシステムがないことがわかりました。本レポートは、このような状態だとビジネスや社会に不要なコストを負わせることになると指摘しています。
グローバルなルールやスタンダードを構築するためにも、貿易摩擦や環境リスクに対処するためにも、2008年金融危機や最近のフォルクスワーゲンの排出をめぐるスキャンダルなどといった規制の失敗を減らすためにも、立法における国際的協力は必須です。しかし、OECD加盟国のわずか3分の1しか国際的規制協力に関する明確な政策を持ち合わせていません。
アンヘル・グリアOECD事務総長は、ヘルシンキで開催された2015年OECD公共ガバナンス閣僚会合で本レポートを発表し、「各国政府は税制や支出に関する政策を正すことに注力しているが、経済成長を支えることができる第三の手段、規制、を見過ごしがちである。各国政府は、脆弱な成長から脱するためにも、規制の欠点に対処し、机上で効果的である法律が施行でも効果があるよう確実にすることが重要である。法律はデザインが良いだけでなく、効果的に実施されなければならず、さらに十分に審査もされ、セクター・管轄・ボーダーを超えて全体に満遍なく適応されることが必要である」と述べました。
規制改善は利益につながります。本レポートによると、官僚主義からの脱却により、イギリスのビジネスは4年間で100億英ポンド節約でき、規制の簡素化でベルギーは国民とビジネスにとって12.5億ユーロの節約となり、オーストラリアは規制コストを減らす改革によりGDP1.3%上昇しました。
各国間の規制に関する調整が乏しければ、ビジネスや貿易への負担となります。最近署名されたTPPや今後のCOP21議論を見れば、製造業から金融サービス、さらには炭素排出にわたるまで、規制に関する密接な協調が一層必要になっていることが強調できます。
本レポートは、こちらからダウンロードいただけます。
ビデオ: Why better law-making and regulation matters
報道関係者のお問い合わせ・著者へのインタビュー依頼は、OECDパリ本部メディア課のCatherine Bremer 、または、OECD東京センターの川口までご連絡ください。
>> タイ語プレスリリースはこちら
Also AvailableEgalement disponible(s)
Follow us
E-mail Alerts Blogs