「マーシャルプランの意欲とニューディール政策のビジョン」を持つ政策支援を行うべき
アンヘル・グリアOECD事務総長は、本日、コロナウイルスのパンデミックによる医療、経済、社会への脅威を打ち破るために、各国政府に全面的な協調行動をとるよう求めました。政府の取り組みの調和を向上させるために、グリア事務総長は、OECDが早急に新たなオンライン政策ハブを設置して、危機と闘う政策当局を早急に支援する用意があることを表明しました。
「コロナウイルスのパンデミックは、現存の人々の記憶にある限りでは前例のない医療危機であり、また大規模な経済危機をも引き起こしている。2020年第1、第2四半期の世界全体及び地域別のGDPは、連続して下落する可能性が高まっており、それが長期的な不況につながることを避けるために、早急に対策を行わなければならない。相当大規模かつ確実で国際協調の取れた取り組みでなければ、この医療の緊急事態に対処し、経済的ショックを緩和し、回復への道を見出すことはできない。健康と日常生活が最も脆弱な人々への支援には、細心の注意を払う必要がある。こうした事態が出現する前から経済的な弱者であった市民の信頼を得られるよう、あらゆる措置を講じなければならない。」
グリア事務総長は声明で、以下の4つの領域において早急な政策対応を求めています。
- 医療問題への対応:ワクチンや治療法をできるだけ早く開発、生産、普及させられるように、科学的な成果を規制その他の措置で補完しなければならない。
- 経済支援:各国政府は下記のような経済部門全体に対して調整された支出を行うことで、直近のマイナス影響を緩和すべきである。
- 医療:大規模検査の実施;保険加入者、非加入者を問わずあらゆる患者の治療;医療関係者への支援;医療関係の退職者の職場復帰とリスクの高い人々の保護;特にマスク、ICU、人工呼吸器の提供拡大。
- 人々:短期雇用措置、失業保険受給要件の緩和、自営業者への現金給付、最も脆弱な人々への支援。
- 企業:負債と納税の遅延の補償、一時的なVAT減税または猶予、信用枠または政府保証による活動資金の利用拡大、中小企業、特にサービス業と観光業への特別支援パッケージ。
金融規制と監督の調整を改善することも、より良い成果を支援することになります。
- 金融規制と監督のための協力:中央銀行によってすでに実施されている措置をもとに、調整された監視、出現している経済的緊張への処方箋、一貫性のある規制により、もっと大きな成果が上がるだろう。
- 景況感の回復:貿易摩擦、高い企業債務、最も脆弱な人々の危機を深刻化させる経済的不平等に対策を取ることで、この危機によって悪化している根本的な弱さを解決する一助となる。
OECD事務総長声明の全文はこちら(日本語仮訳) / (English)
この危機への対策として設置されたOECDのプラットフォームでは、世界各国の政策対応についての情報が、OECDの助言と共に、タイムリーかつ包括的に提供されます。Policy brief(政策概要)では、ワクチン、教育、税制から中小企業まで、様々な問題を取り上げており、各国政府は他国の経験から学ぶとともに、リアルタイムに政策調整を行うことができます。
グリア事務総長は次のように述べています。「今回の危機は、21世紀に入って3番目にして最大の経済、金融、社会へのショックであり、20世紀のマーシャルプランとニューディール政策を合わせたような世界規模の取り組みが求められている。その取り組みは、すでに物質的、経済的、社会的不安に晒されていた人々に焦点を当てなければならない。政府がそれを加速する今、多角的行動は各国が単独で行動し続けるよりも有効になるだろう。」
グリア事務総長は声明で、危機的状況が変化することで経済見通しを立てることは難しいが、OECDはその政策支援の一環として、定期的に経済分析を更新、公表し続けると述べました。
グリア事務総長の記事の概要または全文、あるいはその他の問題についてのご質問は、下記までお願いいたします。
OECD Media Office (+33 1 45 24 97 00).
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