OECDの新報告書『若者への投資:日本 - OECDニートレビュー (Investing in Youth: Japan - OECD REIEW ON NEETS)』によると、日本は若者の雇用見通しを改善し、就業、就学、職業訓練のいずれも行っていない(「ニート」)15~29歳の割合を削減する取り組みを強化すべきです。
2007年以降、働く若者の数が若年人口の減少の結果、約150万人減少しています。就業している若者の半数は非正規契約の仕事についており、その数は1990年代初頭の2倍以上に増えています。
日本のニートの割合は2015年には10.1%で、170万人に上ります。この割合は過去10年で減少してきているものの、生産年齢人口が急速に減少しており移民も少ないことを考慮すると、全ての若者が労働市場に積極的に参加できるよう支援することが不可欠です。
ニートの3分の2以上、特に若い女性は、積極的に求職活動をしていません。日本のニートの男女差は、ほとんどのOECD諸国より大きいですが、それは20歳代後半に多くの女性が子育てのために労働市場から撤退することによります。日本はより多くの若い女性が仕事に就けるように、保育サービスの利用性を引き続き改善する必要があります。
深刻な問題となっているのは、30歳未満の推計32万人(この年齢層の約1.8%)が、社会的に離脱した状態で暮らしている、いわゆる引きこもり状態にあるということです。これらの人々の多くは、社会や教育、労働と再び結びつきを持つために、長期にわたり集中的な支援を必要としています。学校や地域の社会奉仕活動を改善して、社会から離脱する恐れのある若者を助けるべきです。学校、引きこもり支援センター、地域若者サポートステーション、その他の社会的サービス提供者の間の協力と情報共有を強化することが鍵を握っています。
日本の教育制度は優れた成果を上げており、高校卒業の学歴を持たない若者はごくわずかです。不登校になる生徒の割合は1990年代初頭と比較して2倍に増えていますが、欠席率は依然として低くなっています。個人的、社会的、または健康上の理由で普通学校に通えない生徒のために学習の機会を増やす必要があります。日本は不登校の生徒のための特別プログラムを拡充し、公式の学校制度外で不登校の生徒のための既存の教育の選択肢を規制すべきです。
日本では、職業訓練は従来から雇用主によって現場で与えられており、学校と公的雇用サービスである「ハローワーク」も関与しています。高校を卒業して就職することを選んだ生徒のほぼ98%は、2015~16年学年末に雇用主に預けられました。しかし、非正規労働者を雇う雇用主が増えている中、このモデルは有効性を失いつつあります。
後期中等教育における職場学習とともに、仕事に就けなかった高校卒業者向けの有効な積極的労働市場プログラムを強化する必要があります。訓練プログラムは機能を高める余地があり、新社会人向け助成の導入も検討すべきです。
本報告書の詳細は、下記のウェブサイトをご覧下さい。 http://oe.cd/youth-japan
報道関係者のお問い合わせは、OECDパリ本部メディア課(news.contact@oecd.org / tel. + 33 1 4524 9700)までお寄せください。
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