2015年1月19日, パリ
最新のOECD報告書によると、日本は、再就職調整支援において公共と民間との調整を改善すれば失職者がより早期に次の職を見つけることが可能となり、全ての被雇用者が適切な雇用保険の恩恵を受けることができるよう保障されることも重要です。
「OECD日本の失職者レビュー:失職者の早期再就職に向けて(Back to Work: Japan)」によると、日本では毎年多くの労働者が解雇されており、その後の再就職までには長期間の失職状態が続き、再就職できても給与は前職と比べて格段に下がります。日本は、他のOECD諸国と比較すると極めて低い失職率ですが、それでも2000年以降1.4%という数字に留まっています。
失職のリスクは、特に学歴の低い者、非正規雇用者、小企業の被雇用者にとって大きく見られます。2002年から2013年の間で、失職後1年以内に再就職先を見つけることができたのは失職者の半分以下でした。再就職をするのが最も困難であり給与も大きく減少するのは、女性、高齢者、学歴の低い労働者です。
本レポートによると、日本では雇用調整助成金などの解雇防止や早期再就職調整支援は十分に確立されており、これにより失職者数を減らすことにも、失職者の負担を軽減させることにも貢献できています。解雇を避けられない場合でも、雇用主が労働者を他社へ直接移動させる等の措置で影響を緩和できるが、これも非正規雇用者はこれら措置の恩恵を受けることが出来ません。
特に女性や若年層は雇用主から失業手当などの支援を受けることは極めて稀であり、雇用保険受給日数も短いことが示されています。OECDは、政策決定者に対して、公共の雇用保険の給付で、(女性、若年者、非正規雇用者を含めた失職者のサブグループとそれ以外の間に)対処すべきギャップが生じていないか評価するよう求めています。
失職率(日本及びいくつかのOECD諸国)
失職者の再就職率 - 割合
本レポートは、雇用主と契約する民間再就職支援事業者とハローワークが提供する公的支援の間での情報交換が拡充される重要性にも触れています。
早期介入措置の好事例として、2012年にシャープが発表した希望早期退職者募集計画であり、様々な関係者間の連携を促すことで多くの失職者が迅速に再就職先を見つけること可能となりました。
本レビューは、経済的理由や変化の結果により職を失った労働者への再就職支援政策をテーマとしており、若年失業、就労化政策、技能、金融危機の労働市場への影響などに関する研究も踏まえたものです。本レビューには日本の他にオーストラリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、韓国、ニュージーランド、スウェーデン、米国の全部で9カ国が参加します。
「日本の失職者レビュー」に関する詳細はこちらをご覧ください。
>> 概要と評価・提言(英・日)
報道関係者は、OECD東京センター(+81 3 5532 0021, naoko.kawaguchi@oecd.org )までお問い合わせください。
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