OECD ーパリ、2019年3月6日
OECDの最新エコノミックアウトルック中間報告(Interim Economic Outlook)によると、世界経済が鈍化し重大なリスクが続いており、特に欧州諸国における成長の弱体化は予想以上にです。
現在の経済見通しは、G20諸国のほぼすべてについて前号で予測されたより鈍くなっています。中国に端を発した脆弱性と欧州経済の停滞は、貿易と世界の製造業の後退、政策的不安定と金融市場のリスクと相まって、世界全体の中期的な成長の強さと持続可能性を弱体化させる可能性があります。
OECDでは、世界経済の成長率が2019年は3.3%、2020年は3.4%になると予測しています。経済見通しと予測の対象はG20の全加盟国です。2018年11月に発表された前回のEconomic Outlookからの下方修正が特に大きいのはユーロ圏、中でもドイツとイタリアで、英国、カナダ、トルコがそれに続いています。
この中間報告書では、世界経済を圧迫する主な要因として中国と欧州の停滞と世界の貿易の伸びの弱さを挙げています。貿易制限と政治的不安定がさらに強まると、世界経済の成長にさらに悪影響が及ぶ可能性があることを強調しています。中国では景気刺激策によって弱まる貿易の伸びが穴埋めされるとみられていますが、景気が急減速するリスクは残っており、世界経済と貿易の見通しにさらに打撃を与える恐れがあります。
ローレンス・ボーンOECDチーフエコノミストは次のように述べています。「世界経済への逆風は強まっている。世界の主要諸国・地域のどこかで急減速すれば、特にそれが金融市場に広がった場合、世界全体の経済活動が損なわれる可能性がある。各国政府は多角的対話を強化してリスクを抑え、さらなる景気低迷を避けるための政策行動に協調して取り組むべきだ。」
本中間報告書は、各国中央銀行に引き続き支援策を取るよう求めていますが、欧州では金融政策だけではこの景気下降を止められず、また中期的な成長見通しをわずかに回復させることもできないと強調しています。負債の少ない欧州諸国で金融刺激策を導入しつつ、全ユーロ圏諸国で構造改革を見直すという新たな協調策を採ることで、中期的に成長を回復させ、生産性を高め、賃金の伸びを後押しすることになります。
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詳細は下記のサイトをご覧ください。
www.oecd.org/economy/economicoutlook.htm.
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