OECD -パリ、2019年10月9日
OECD事務局は本日、高収益を上げている多国籍大企業(デジタル企業を含む)の消費者向け活動の拠点がどこにあるか、どこで収益を上げているかにかかわらず、確実に納税するために、国際交渉を進める提案を発表しました。
このOECDの新たな提案(new proporsal)は、加盟諸国からの3つの競合する提案の共通要素をまとめたもので、134カ国・地域が対等な立場で国際課税ルールについて多角的に交渉を行い、21世紀のグローバル経済にふさわしいものにするためのG20/OECD BEPS Inclusive Frameworkの成果を元にしています。
この提案は、現在Public Consultation processが行われていますが、一部の利益とそれに対する課税権を多国籍企業の市場がある国・地域に割り当てることを提案しています。多国籍企業が物理的に所在していない地域で重要な事業を行っている場合、(1) どこで納税すべきか(「ネクサス」ルール)、(2) 利益のどのくらいの割合に課税されるべきか(「利益配分」ルール)を明確にした新たなルールを創設することで、企業はその国で課税されるべきだと述べています。
アンヘル・グリアOECD事務総長は、次のように述べています。「経済のデジタル化によって発生する課税問題への対処について、我々の活動は実際に進展を見せており、2020年にはルールに基づく国際課税制度を見直すための合意に基づく解決策に向けてさらに取り組みを続けていく。この計画は、130以上の国々が関わる既存の競合する提案の共通要素に、政府、企業、市民団体、学術研究者、一般の人々からの幅広い意見を取り入れている。これは、全ての多国籍企業に公平な負担分を支払わせるという我々の究極の目標に一歩近づくものである。
「2020年までに合意に達することができなければ、各国が一方的措置を執るリスクが高まり、すでに脆弱なグローバル経済にさらにマイナスの影響を及ぼすことになる。それを座視するわけにはいかない。」
この包摂的枠組みのデジタル経済における課税の研究は、国際課税制度の安定性と確実性を確保し、既存のルールとの重複に可能な限り対処し、二重課税のリスクを削減するための幅広い取り組みの一環として行われています。課税権の再配分についての要素の他に、この研究の第2の焦点は、多国籍企業の利益に最低限の法人税を課すという、残されたBEPS問題の解決にあります。この点については、2019年12月に開催される公聴会で議論が行われる予定です。
10月17~18日にワシントンDCで開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会合で発表されるOECD Secretary General Tax Reportに、現在行われている研究の詳細を収録しています。
OECD/G20 BEPSプロジェクトの詳細は、下記のウェブサイトをご覧下さい。 www.oecd.org/tax/beps/
メディアの方々のお問い合わせは下記までお願いします。
Pascal Saint-Amans, Director of the OECD Centre for Tax Policy and Administration (+33 1 45 24 91 08)
Lawrence Speer in the OECD Media Office (+33 1 4524 7970).
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