OECD − パリ、2018年4月10日
OECDが発表した公式速報データによると、公的援助国・機関からの海外援助総額は、2017年は1,466億米ドルで、2016年より実質値で0.6%の微減となりました。援助諸国内での避難民への支出が減少しましたが、援助を最も必要としている国々への資金フローは増加しました。
援助国内の避難民向け支出を除くと、ODA純額は実質値(インフレと通貨変動修正済み)で2016年より1.1%上昇しました。避難民受け入れのために援助諸国が支出したODAは、主に欧州への難民が減少したため13.6%下落し、142億米ドルになりました。援助諸国内の避難民向け支出はODA純額の9.7%に相当し、2016年の11%から下落しました。
最貧国への二国間援助額は過去数年減少傾向が続いていましたが、2017年は実質値で4%増加して260億米ドルになりました。アフリカへの援助は3%増加して290億米ドルになり、そのうちサハラ以南のアフリカ諸国への援助も3%増の250億米ドルでした。人道援助は実質値で6.1%増加して、155億米ドルになりました。
OECD開発援助委員会(DAC)加盟諸国からのODA総額は、国民総所得の0.31%で、2016年の0.32%から下落しており、さらにODAを援助諸国のGNIの0.7%以上にするという国連の目標を大幅に下回っています。
アンヘル・グリアOECD事務総長は、発表会見で次のように述べました。「援助を最も必要としている国々により多くの資金が向けられているのは良いことだが、まだ十分とはいえない。0.7%目標に達していない国々が多すぎる。ODAで開発途上国を支援することは、安定と包摂的成長を広げる最速の手段であり、開発途上国が持続可能な開発目標を達成するために不可欠である。援助諸国は、現在の経済拡大期に取り組みを海外援助額を増やすとともに、最貧諸国に振り向けられるようにすることで、強化すべきである。」
1988年のDACルールでは、避難民が入国した最初の年の避難民向け支出をODAに計上してよいとしています。オーストラリア、韓国、ルクセンブルクは、2017年は受け入れた避難民向けのコストをODAに計上していませんが、9カ国が避難民向けにODAの10%を支出しました。中でもドイツギリシャ、アイスランド、イタリアは、ODAの20%以上を国内に受け入れた避難民向けに支出しました。
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総合的に見ると、ODAの純額は2016年は11カ国で増加しましたが、特に最も大幅に増加したのはフランス、イタリア、日本、スウェーデンでした。ODAが減少したのは18カ国で、ほとんどの場合、避難民受入数が減少したことによります。特にODAが大幅に減少したのは、オーストリア、ギリシャ、ハンガリー、ノルウェー、スロベニア、スペイン、スイスでした。
DAC非加盟諸国で援助フローをOECDに報告した国々のうち、2017年のODAの対GNI比が最も大きかったのはアラブ首長国連邦で1.31%、2番目がトルコで0.95%でした。
シャルロット・ペトリ・ゴルニツァDAC議長は、次のように述べました。「最貧諸国に対するODA額が増加したことは喜ばしいことであり、DAC加盟諸国にはさらなる取り組みを続けてもらいたい。ODAを援助を最も必要としている国々の長期目標に叶うように投資し、中所得諸国ではそれを融資の返済に用いることを常に目指すべきである。」
デンマーク、ルクセンブルク、ノルウェー、スウェーデン、英国のDAC加盟5カ国は、2017年に国連のODA/GNI目標である0.7%を満たしています。ドイツは2016年は目標に達していましたが、2017年は他のDAC加盟24カ国同様、目標に届きませんでした。
ODAは、最貧諸国の外部資金調達の3分の2以上を占めています。DACは、ODAが民間投資を創出し、貧しい諸国の国内税収を増やす手段としてより良く活用され、国連持続可能な開発目標の達成に寄与するよう強く求めています。
ほとんどのODAは供与の形で提供されますが、開発途上国向けの融資額が2017年は13%増加しました。いくつかの援助諸国では、無利子融資の割合が2国間ODAの4分の1を上回りました。
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DACはOECDの委員会の1つで、30カ国の援助諸国とオブザーバー機関の議論の場となっています。ODAとは、低・中所得諸国の発展と福祉を促進するための公的資金フローのことです。ODA純額は、ODA総額から非援助諸国による融資元金返済分を差し引いたものです。
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