大学教育の便益は依然として高いが、学術分野によって大きな差がある

 

2017年9月12日

高等教育への進学率は急速に拡大しており、個人にも納税者にも非常に大きな利益をもたらしていますが、労働市場での機会を最大化する学術分野を大学は提供できておらず、個人もその分野に進むことができていない可能性があることが新たに実証されました。

 『図表で見る教育2017 (Education at a Glance 2017)』では、学生が職業教育、高等教育段階で専攻する科目について、初めて詳細に分析しています。それによると、調査の行われた国々では経営、行政、法曹が最も人気がある職業で、4分の1の学生が選択しています。それに対して工業、建築業、製造業を選ぶ学生は16%、情報通信技術は5%未満ですが、その分野の修了者の雇用率がOECD諸国全体で見ても最も高く、調査対象となった国々の3分の1において90%を超えています。

高等教育の学位を有する成人は、その投資に対して大きな見返りを得ています。彼らの雇用率は、後期中等教育修了者のそれより平均で10ポイント高く、収入は56%多くなっています。これらの成人は、学歴がもっと低い成人より、不況の悪影響も受けにくくなっています。後期中等教育未満の学歴しか持たない人々の収入は、同課程を修了した人々より平均で22%少なくなっています。  

アンヘル・グリアOECD事務総長は、次のように述べています。「高等教育は個人に大きな報酬をもたらすが、教育制度は若者に何を学ぶことで最大のチャンスを得られるかをもっとよく説明しなければならない。公平で質の高い教育は、個人的な達成感だけでなく経済成長を促すものである。各国はその取り組みをさらに推し進め、教育が今日の子供たちのニーズに応え、彼らの将来の夢に情報提供できるようにしなければならない。」


国別分析を含む詳細情報は、こちらからご覧になれます。

 

 
より良い教育を受けるチャンスが高まっている一方で、雇用の悪化、低賃金という取り残される人々が支払う代償は増えています。OECD加盟諸国の25~34歳で高等教育の学位を取得している人の割合は、2016年は43%でしたが、これは2000年の26%から上昇しています。後期中等教育を修了していない25~34歳の割合も、2000年の25%から2016年には16%に下落しています。  
しかし、後期中等教育に達した成人が増えているものの、課程を修了できるかは別の問題です。データがある国々の中で、後期中等教育に入学した生徒の約4人に1人が、課程の理論的な終了日から2年経過しても卒業しておらず、こうした生徒の5人に4人は学校教育から完全に離れてしまっています。後期中等教育を修了した25~34歳の人々の失業率が9%であるのに対し、修了できなかった人のそれは17%に達することを考えると、これは重大な損失です。  

 

本報告書はまた、OECD諸国とパートナー諸国が2030年までに教育に関する持続可能な開発目標を達成する道程のどの当たりにいるかを評価しています。いくつかのターゲットについて、OECD諸国間に大きな差があります。過去12か月の平均で、OECDとパートナー諸国は公式・非公式の教育と訓練において、成人の参加率の男女公平な比率を達成しました。

しかしこの結果の背後には、あらゆるジェンダー公平性指標における最大の差異である、こうした課程への男女の参加率が0.7から1.4まで幅があるという事実があります。同様に、読解力、数滴思考力の最低水準に達している男女それぞれの割合もばらつきが大きく、OECD加盟国間で基本的スキルが不公平であることが反映されています。

主な結論

学歴と成果

 

職業プログラムの重要性は国によって大幅に異なる。職業訓練の要素を持つ後期中等教育を修了している若年成人の割合は、コスタリカ、イスラエル、メキシコの5%未満から、オーストリア、ドイツ、スロバキア、スロベニアの40%以上まで幅がある。(A1)

現在のパターンに基づくと、OECD諸国平均で今日の若者の80%が25歳までに後期中等教育を修了し、49%が生涯に一度は高等教育を修了すると予測される。(A2/3)

 

教育支出

支出は、あらゆる教育段階、特に高等教育レベルにおいて、2010年以降在籍学生数よりはるかに速いペースで増加している。OECD諸国は、初等教育から高等教育まで、生徒1人当たり平均10,759米ドルを教育機関に対して支出している。初等教育の生徒1人当たり8,733米ドル、前期中等教育は10,235米ドル、後期中等教育は10,182米ドル、高等教育は16,143米ドルである。(B1) 

初等教育から高等教育までの教育機関に対する支出の対GDP比が6%を上回っているのは、カナダ、デンマーク、アイスランド、韓国、ニュージーランド、ノルウェー、英国、米国です。それに対して、教育支出の対GDP比が4%未満だったのは、チェコ、ハンガリー、インドネシア、ルクセンブルク、ロシア、スロバキアです。(B3)

OECD諸国全体で、初等教育から高等教育までの公的支出総額は、全政府支出の平均11.3%を占めているが、OECD諸国、パートナー諸国の間にはチェコ、ハンガリー、イタリア、ロシアの8%未満から、ブラジル、コスタリカ、インドネシア、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカの少なくとも16%まで幅がある。

 

教育の受けやすさ

OECD諸国平均で、生徒の少なくとも90%が最低14年間は教育を受けているが、その期間はメキシコとトルコの10年からノルウェーの17年まで幅がある。(C1)

ほとんどのOECD諸国で、大半の子供が5歳になる前から教育を受け始めている。OECD諸国全体で、3歳児の78%が早期幼児教育を受けている。(C2)

ほぼ全てのOECD諸国で、高等教育機関への入学者の割合に占める男性の割合が、女性より低い。25歳未満で高等教育に初めて入学する女性の割合の平均は、男性のそれより11ポイント高い。(C3)

 

学級

OECD諸国の生徒は、初等教育から中等教育までの義務教育全体で平均7,538時間授業を受けているが、ラトビアの5,976時間から、そのほぼ2倍に当たるオーストラリア(11,000時間)、デンマーク(10,960時間)まで幅がある。(D1)

教員現場の高齢化が進んでいる。2015年には、OECD諸国平均で、初等教育から中等教育までの教師の33%が50歳を超えていたが、これは2005年に比べ3ポイント上昇している。また、教師は依然として女性が多く、OECD諸国平均で10人中7人が女性である。

教師の給与は同程度の学歴のフルタイム労働者と比べて低く、高等教育を修了したフルタイム労働者の給与の78%から94%の間である。

「図表でみる教育」のカントリー・ノート、サマリー、主要データなど、詳細は以下のウェブサイトでご覧いただけます。  www.oecd.org/education/education-at-a-glance-19991487.htm

 

報道関係者のお問い合わせは、下記までお寄せください。

 Andreas Schleicher (tel. + 33 1 45 24 93 66) in the OECD’s Education and Skills Directorate

the OECD’s Media Division (tel. + 33 1 45 24 97 00).

 

(ジャーナリストの方々は、OECDの専用ウェブサイトからダウンロードできます。)

 

 

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